窒素

元素記号N
分類非金属[nonmetal]
原子番号7
原子量14.0067
族/周期/ブロック15/2/p
電子配置[希ガス型電子配置を利用した記述]/電子殻${\rm [He]{2s}^{2}{2p}^{3}}$/2,5
融点[K]/沸点[K]63.29K,-209.86${\rm {}^{\circ}C}$/77.4K,-195.8${\rm {}^{\circ}C}$

空気の体積の78.1%,重量の75.5%を占める物質が窒素です.

1772年に,ダニエル・ラザフォード[Daniel Rutherford;1749/11/3-1819/11/15]が初めて単体分離したとされます.この分離した物質の中でハツカネズミは生きることが出来なかったため,ラザフォードは窒素を有毒な空気[noxious air],もしくは,フロギストン化した空気[phlogisticated air]と呼びました.フロギストンというのは,「燃焼」の原因のもとと考えられていた物質のこと.当時,物を燃焼させると、物質からフロギストンが放出され灰が残る,と考えられていました.そして,ラザフォードは,この考え方に基づいて生物は呼吸とともにフロギストンを排出し,フロギストンが飽和状態では呼吸ができずに生きていくことが出来ないと考えたのです.

現在,窒素は英語でNitrogenと言いますが,これは窒素が硝石[nitrum]から生じるものであるということに由来します.なお,窒素が元素であることを発見したのは,フランスの化学者アントワーヌ=ローラン・ド・ラヴォアジエ[Antoine-Laurent de Lavoisier:1743/08/26-1794/05/08]で,1789年のことでした.ちなみに,ラヴォアジエは窒素のことをギリシア語で「生きられないもの」を意味する言葉に由来する azote と呼びました.

窒素と酸素の化合物である窒素酸化物類[${\rm NO_{x}}$]は水と反応すると,硝酸[${\rm HNO_{3}}$]に変化します.この硝酸は金や白金を除くほとんどの金属と反応して,1個の窒素原子と3個の酸素原子からなる硝酸イオン[${\rm {NO}_{3}^{-}}$]を持つ塩である硝酸塩[nitrate]となります.

また,硝酸[${\rm HNO_{3}}$]には有機化合物にニトロ基[nitro group]を付加する性質[ニトロ化]を持っています.ベンゼンを代表とする環状不飽和有機化合物の一群である芳香族化合物[aromatic compounds]のニトロ化は,医薬・農薬・爆薬などの合成における重要な単位反応として知られています.

Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.





















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