ホウ素

元素記号B
分類半金属[Metalloid]
原子番号5
原子量10.811
族/周期/ブロック13/2/p
電子配置[希ガス型電子配置を利用した記述]/電子殻${\rm [He]{2s}^{2}{2p}^{1}}$/2,3
融点[K]/沸点[K]2350K,2077${\rm {}^{\circ}C}$/4143K,3870${\rm {}^{\circ}C}$

西チベットの砂漠など塩湖が乾燥した跡地などから産出され、昔から特殊ガラスやエナメル塗料の原料として知られいた硼砂のアラビア語である「Buraq」がホウ素[boron]の名前の由来。今でも,ホウ酸塩消費量の約60%がガラス用として用いられています.

このように,ホウ素は地殻中の存在率が比較的低いにも拘わらず,鉱床を形成するため容易に採掘可能であり,古くから利用されていました.

しかし,単体での分離は,1808年にゲイ=リュサックとルイ・テナールの2人,および,ハンフリー・デービーが初めて成功しました.

ヨーロッパではフランス貴族フランソワ・ド・ラルドレル[Francesco de Larderel]が自らの所領のあるイタリアのトスカーナ地方において,高温の地下水に含まれるホウ酸をボイラーで蒸発させて抽出させるという技法によってホウ酸の大量生産に成功します.この成功により,レオポルド2世によってラルデレロと命名された地において,てホウ酸の大量生産のために産み出されたのが地熱蒸気を用いた発電,つまり,地熱発電です.

現在では,BHPビリトン,アングロ・アメリカンと並び世界三大資源メジャーである英豪資源大手リオ・ティント社[Rio Tinto]とトルコの Eti社がホウ酸の生産を二分しています.なお,ラルドレルの流れを汲むLarderello Groupはイタリアとアルゼンチンを拠点として健在.

ホウ素は半金属[Metalloid]という金属と非金属の両方の性質を併せ持つ元素です.つまり,単体では金属と同様に電気伝導性がありますが,金属とは違って電気抵抗率がかなり高いという性質があります.半金属[Metalloid]にはホウ素の他に,ケイ素,ゲルマニウム,ヒ素,アンチモン,テルル,ビスマス,ポロニウムの9元素があります.また,共有結合性が強いため半導体としての性質がある他,同じ第13族元素でのアルミニウムやガリウムなどの金属元素よりも炭素やケイ素に近いという特性を持っています.

ホウ素は単体では天然では存在しません。しかし,化合物としては約200種類の金属化合物が知られています.また,水素との化合物である水素化ホウ素も ボリン[${\rm {B}_{2}{H}_{3}}$] を始めとして数多く存在しています.こうした水酸化ホウ素は水酸化ホウ素ナトリウム[${\rm {NaBH}_{4}}$]のように一般的に高い反応性を示します.例えば,水酸化ホウ素ナトリウム[${\rm {NaBH}_{4}}$]に水を加えると水素ガスが発生します.

また,プールに入った後の目の消毒液として知られる弱酸性のホウ酸水溶液[${\rm {H}_{3}{BO}_{3}}$]でも知られています.

Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.





















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