フッ素

元素記号F
分類ハロゲン元素[halogen]
原子番号9
原子量18.9984032
族/周期/ブロック17/2/p
電子配置[希ガス型電子配置を利用した記述]/電子殻${\rm [He]{2s}^{2}{2p}^{5}}$/2,7
融点[K]/沸点[K]53.53K,-219.62${\rm {}^{\circ}C}$/85.03K,-188.12${\rm {}^{\circ}C}$

フッ素化合物の存在は昔から知られていました.しかし,フッ素は電子を引き込む力が非常に強いため(=電気陰性度の高い),強い活性を持っていて,様々な物質と反応することや,毒性も強かったことから,フッ素単独での分離はモアッサン[Ferdinand Frédéric Henri Moissan,1852/09/28-1907/02/20]による1886年6月の成功まで待たなくてはなりませんでした.

モアッサンは,液体フッ化水素[${\rm HF}$] に二フッ化水素カリウム[${\rm KH{F}_{2}}$]を溶かした溶液を電気分解し,螢石という鉱物をくり抜いて作った小さな容器に取り出すことによって初めてフッ素の単離に成功しました.

フッ素は水素と爆発的に反応してフッ化水素[${\rm HF}$]を生成します.このフッ化水素は,非常に有毒で皮膚を侵食し,肝臓障害や腎臓障害を引き起こします.

なお,猛烈な反応性を持つのは単体のフッ素分子[${\rm {F}_{2}}$]であり,フッ素を含む化合物が全てこのような性質を持つわけではありません.

有機フッ素化合物

有機フッ素化合物[${\rm PFCs}$]は,撥水・撥油性,熱・化学的安定性等の性質を持っています.そのため,この性質を利用して,撥水撥油剤,界面活性剤,半導体用反射防止剤,金属メッキ処理剤,水成膜泡消火剤,殺虫剤,さらには調理用器具や紙・布・カーペット・衣服などのの表面コーティング剤といった具合に幅広く活用されています.

有機フッ素化合物の中でも,${\rm PFOS}$[パーフルオロオクタンスルホン酸]や${\rm PFOA}$[パーフルオロオクタン酸]は安定的な化合物として知られています.

Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.





















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