ファラデーの法則

ファラデーの法則[Faraday's law of induction]

回路と鎖交する磁束 $\rm{\Phi}$[Wb] が微小時間 $\Delta t$[s] に変化する場合, 電磁誘導作用によって生じる誘導起電力 $E$[V] は,回路と鎖交する磁束の変化の割合に比例する.\[E=-\frac{\Delta \rm{\Phi}}{\Delta t}\]

ファラデーの法則は,任意のループ $\rm{\Gamma}$ における経路 $\dot{l}$ に時間変化がない場合,ループ $\rm{\Gamma}$ に沿った電場 $\dot{E}$ の積分が,ループ内を通る磁束の変化の速度に等しいとも表現することができる.\[\oint_{\rm{\Gamma}}\dot{E}dl=-\frac{d \Phi}{d t}\]

なお,符号がマイナスとなっているのは,レンツの法則を含めて表現しているためである.

レンツの法則[Lenz's law]

誘導起電力 $E$[V] は,電流の流れる方向は誘導電流の原因,すなわち,磁束の変化を打ち消す向きに生じる.

レンツの法則はロシア帝国支配下のエストニア出身の物理学者ハインリヒ・レンツ[Heinrich Friedrich Emil Lenz:1804-02-12/1865-02-10]によって発見された.なお,ハインリヒ・レンツジュールの法則ジュール[James Prescott Joule:1818-12-24/1889-10-11]とは独立に発見した.

直線導体の移動による誘導起電力

磁束密度 $B$[Wb] の磁界の中を磁界の方向に直角に速度 $v$[m/s] で直線導体が移動するということを考える.

この移動によって,磁界の範囲内にある直線導体の一部 $l$[m] に誘導起電力 $e$[V] が生じる.なお,この 直線導体の一部 $l$[m] のことを有効導体長という.このとき,磁束 $\rm{\Phi}$[Wb] の変化は,\[\Delta \Phi= Blv\Delta t \quad \rm{[Wb]}\]と表される.この式にファラデーの法則の式を代入すると,\[\begin{eqnarray}E&=&-\frac{Blv \Delta t}{Blv \Delta t}\\&=&-Blv\rm{[V]}\end{eqnarray}\]となる.


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