アベイラビリティゾーン

summary:

アベイラビリティゾーン[Availability Zone, AZ]とは,[Availability Zone, AZ]とは,物理的または論理的に分離されたデータセンターのグループであり,高可用性を実現するための構成単位である.

アベイラビリティゾーンは,同じ地域[リージョン]内に複数存在し,それぞれが独立した電源・冷却設備・ネットワークを備える.

すなわち,1つのリージョンのクラウドインフラは複数のデータセンターから構成されており,それぞれのデータセンターがアベイラビリティゾーンとして識別される.

それぞれのアベイラビリティゾーンは物理的または論理的に分離されているものの,高速な専用ネットワークで相互に接続されており,単一のアベイラビリティゾーンで障害が発生し他としても,他のゾーンのサービスは影響を受けまない.これにより,システムの高可用性と災害復旧能力を確保することを可能としている.

OpenStackにおけるアベイラビリティゾーン

OpenStackでは,アベイラビリティゾーンはコンピュートホスト[物理サーバー]のグループを論理的に分割する概念であり,ユーザーは特定のアベイラビリティゾーンを指定してインスタンスをデプロイすることができる.OpenStackアベイラビリティゾーンは主にNova[コンピュート]で使用され,障害ドメインを分離するために利用される.また,Cinder[ブロックストレージ]でもアベイラビリティゾーンを指定することができ,ストレージの配置戦略に影響を与える.

OpenStackアベイラビリティゾーンは,物理的な分離を保証するものではなく,管理者が定義した論理的なグループ分けであるため,単一の物理データセンター内でも設定可能である.Nova scheduler はインスタンス配置時にアベイラビリティゾーン指定を考慮し,適切なホストを選択する.アベイラビリティゾーンは nova availability-zone-list コマンドで確認でき,インスタンス作成時には --availability-zone オプションで指定できる.また,Neutron[ネットワーク]や Swift[オブジェクトストレージ]などの他のOpenStackコンポーネントでも,同様のアベイラビリティゾーン概念を活用することができる.

AWSにおけるアベイラビリティゾーン

AWSでは,アベイラビリティゾーンは同じリージョン内の,独立した電源,冷却,ネットワークを持つ複数のデータセンターの集合である.各リージョンには複数のアベイラビリティゾーンが存在し,ユーザーはそれらを活用して冗長性を確保する.AWSのアベイラビリティゾーンは物理的に分離されたデータセンターである点が重要であり,OpenStackの論理的なゾーンとは異なる概念である.

AWSのアベイラビリティゾーンは,互いに数マイル〜数十マイル離れた場所に配置され,同一の自然災害による同時障害を防ぐよう設計されている.各AZは専用の高速・低レイテンシーネットワークで接続されており,リージョン内のデータレプリケーションが可能である.AWSでは通常,us-east-1a,us-east-1bのように,リージョンコードの後にアルファベットを付加してAZを識別する.ただし,AWS内部でのアベイラビリティゾーンの物理的マッピングはアカウントごとに異なる場合があり,アカウントAの「us-east-1a」とアカウントBの「us-east-1a」が同じ物理施設を指すとは限らない.

Mathematics is the language with which God has written the universe.





















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