連続型確率分布

連続型確率分布は、確率変数が連続的な値をとる場合に、その分布を記述する枠組みである。離散型分布と異なり、個々の点に確率が割り当てられるのではなく、区間に対して確率が定義される。この構造は測度論に基づき、ルベーグ積分によって厳密に定式化される。

定義

確率変数 $X : \Omega \to \mathbb{R}$ が連続型であるとは、その分布が確率密度関数 $f : \mathbb{R} \to [0,\infty)$ を用いて表現できることをいう。すなわち、任意のボレル集合 $B \subseteq \mathbb{R}$ に対して

\[P(X \in B) = \int_B f(x)\,dx\]

が成立する。

確率密度関数の性質

確率密度関数 $f(x)$ は次の条件を満たす。

また、任意の区間 $[a,b]$ に対して、

\[P(a \leq X \leq b) = \int_a^b f(x)\,dx\]

が成立する。

特に、任意の点 $x \in \mathbb{R}$ に対して

\[P(X = x) = 0\]

である。

累積分布関数

累積分布関数は

\[F_X(x) = P(X \leq x) = \int_{-\infty}^{x} f(t)\,dt\]

で定義される。この関数は連続かつ単調非減少であり、ほとんど至る所で微分可能であり、

\[f(x) = \frac{d}{dx} F_X(x)\]

が成立する。

期待値と分散

連続型確率変数の期待値は

\[\mathbb{E}[X] = \int_{-\infty}^{\infty} x f(x)\,dx\]

によって定義される。

分散は

\[\mathrm{Var}(X) = \int_{-\infty}^{\infty} (x - \mu)^2 f(x)\,dx, \quad \mu = \mathbb{E}[X]\]

で与えられる。

変数変換

確率変数 $X$ に対して、単調関数 $Y = g(X)$ を考えるとき、確率密度関数は次のように変換される。

\[f_Y(y) = f_X(x) \left| \frac{dx}{dy} \right|\]

ここで $x = g^{-1}(y)$ である。

多次元連続分布

多次元確率変数 $X = (X_1, \dots, X_n)$ に対しては、同時密度関数

\[f(x_1, \dots, x_n)\]

が定義され、任意の領域 $A \subseteq \mathbb{R}^n$ に対して

\[P(X \in A) = \int_A f(x_1, \dots, x_n)\,dx_1 \cdots dx_n\]

が成立する。

周辺分布は積分によって得られる。例えば、

\[f_{X_1}(x_1) = \int_{-\infty}^{\infty} f(x_1, x_2)\,dx_2\]

である。

代表的な連続分布

一様分布

区間 $[a,b]$ 上で一様な分布:

\[f(x) = \frac{1}{b-a}, \quad a \leq x \leq b\]

正規分布

平均 $\mu$、分散 $\sigma^2$ の正規分布:

\[f(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi\sigma^2}} \exp\left(-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}\right)\]

指数分布

パラメータ $\lambda > 0$ の指数分布:

\[f(x) = \lambda e^{-\lambda x}, \quad x \geq 0\]

まとめ

連続型確率分布は、確率密度関数によって特徴づけられ、積分を通じて確率を計算する。個々の点の確率はゼロであり、区間に対して確率が割り当てられる点が本質的である。この枠組みは解析学と密接に結びついており、統計学や確率過程論の基礎を形成する。

Mathematics is the language with which God has written the universe.





















累積分布関数 多次元確率変数と同時分布 周辺分布と条件付き分布 期待値の定義と性質 分散と標準偏差