複利計算

単利と複利

元金を $a$,年の利率を $r$ とすると,1年後の元利合計は\[a(1+r)\]となります.

単利だとして $n$ 年後の元利合計は,\[a(1+nr)\]となります.

一方で,複利の場合は,1年後の元利合計を $a_{1}$ とすると,\[a_{1}=a(1+r)\]となるので,2年後の元利合計は,\[a_{2}=a_{1}(1+r)\]となります.

同様にして,$k$ 年後の元利合計を $a_{k}$ とすると,$(k+1)$ 年後の元利合計 $a_{k+1}$ は,\[a_{k+1}=a_{k}(1+r)\]となるので,$n$ 年後の元利合計は,\[a_{n}=a(1+r)^{m}\]となります.

ここで,$n$ 年後を考えた場合に,単利と複利の比較をしてみましょう.

単利と複利の比較というのは,$(1+r)^{n}$ と $(1+nr)$ のどちらが大きいかということを意味します.

ここで,2項定理から,\[(1+r)^{n}=\sum^{n}_{k=0}{}_{n}C_{k}r^{r}=\sum^{n}_{k=0}\frac{n!}{k!(n-k)!}\]であるので,\[{}_{n}C_{1}=n\]であることと合わせると,\[(1+r)^{n}>1+nr\]となることが分かります.つまり,$r>0$ という条件のもとでは単利よりも複利のほうが大きいということになります.

様々な複利

元金を $a$,年の利率を $r$ として,今度は1ヶ月複利を考えます.

このとき,1年後の元利合計は\[a(1+\frac{r}{12})^{12}\]となります.

同様にして,1日複利では1年後の元利合計は,\[a(1+\frac{r}{365})^{365}\]となります.

次に,$365/s$ 日複利を考えると,$s=365$ のときは1日複利,$s=73$ のときは,\[\frac{365}{73}=5\]で,5日複利となります.1日複利では1年後の元利合計は,\[a(1+\frac{r}{365})^{365}\]でしたから,5日複利のときの1年後の元利合計は,\[a(1+\frac{r}{73})^{73}\]となります.

つまり,$365/s$ 日複利とすると,1年後の元利合計は,\[a(1+\frac{r}{s})^{s}\]ということになります.

Napier数

\[\lim_{s \to \infty}(1+\frac{1}{s})^{s}=e\]を Napier数,あるいは,自然対数の底といいます.

複利の式で $s$ をどんどんと大きくしていくと,\[\lim_{s \to \infty}(1+\frac{r}{s})^{s}\]を考えることになります.

ここで,\[\frac{r}{s}=\frac{1}{k}\]とすると,\[(1+\frac{r}{s})^{s}=(1+\frac{1}{k})^{kr}\]となります.$r$ は固定金利を考えていますからずっと同じ値で変化しません.これに対して,$k$ は $s$ が大きくなるにつれて大きくなります.つまり,\[\lim_{s \to \infty}(1+\frac{r}{s})^{s}=\lim_{k \to \infty}(1+\frac{1}{k})^{kr}\]となります.

上の式を,\[\lim_{s \to \infty}(1+\frac{1}{s})^{s}=e\]を利用して変形すると,\[\lim_{s \to \infty}(1+\frac{r}{s})^{s}=e^{r}\]となります.

Mathematics is the language with which God has written the universe.





















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