ヒメアスナロ

概要

Thujopsis dolabrata var. hondae ’Nana’。ヒノキ科アスナロ属(Cupressaceae Thujopsis)。常緑低木。

姫翌檜と書く。北海道渡島半島南部、下北・津軽半島に分布。ヒノキアスナロ(檜翌檜;Thujopsis dolabrata var. hondae Makino)の園芸種。多幹性の低木となり、球形または半球形の樹形を呈する。和名は「矮性のアスナロ」を意味し、親変種であるヒノキアスナロの小型版として位置づけられる。

同じくヒノキアスナロを親とする園芸品種には、葉に斑が入るフイリアスナロ(Thujopsis dolabrata var. hondae 'Variegata')がある。

形態的特徴

ヒメアスナロは高さ1〜3メートル程度の矮性品種であり、樹形は円錐形から半球形をとる。

葉・枝の特徴は親変種であるヒノキアスナロに準じる。小枝は扁平で、葉は鱗片状、十字対生し、側葉は舟形で上下葉は小さい。葉の長さは4〜7ミリメートル、幅1.5〜2.2ミリメートルで全縁、先は鈍形、質が厚い。葉表は光沢があり濃緑色、葉裏には白色の気孔帯が目立つ。球果は木質で球形に近く、果鱗の背面の突出は基準変種(アスナロ)より低い。

草丈/樹高1mから3m.
葉序[phyllotaxis]は対生[opposite].単葉.鱗片状.
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分布と栽培

ヒメアスナロは自然界に分布する野生植物ではなく、栽培・育成された園芸品種である。繁殖は挿し木によって行われ、比較的容易とされる。観賞用として庭園や公園に植栽されることがある。親変種のヒノキアスナロが持つ耐陰性・耐寒性を受け継いでおり、日本の冷温帯の気候条件にも対応できる。低く締まった樹形から、庭園の添景樹・グランドカバー的な用途に適している。

系統的位置

YList(植物和名-学名インデックス)によれば、ヒメアスナロの標準学名は Thujopsis dolabrata (L.f.) Siebold et Zucc. var. hondae Makino 'Nana' であり、同変種内にはほかにフイリアスナロ('Variegata')およびホソバアスナロ(f. uchimappeana)が含まれる。

アスナロ属(Thujopsis)は T. dolabrata の1種のみを含む単型属(monotypic genus)であり、ヒノキ科(Cupressaceae)に属する。本品種はその唯一の種の変種(var. hondae)からさらに選抜・育成された栽培品種(cultivar)として位置づけられる。

分類

裸子植物>針葉樹類>ヒノキ目>ヒノキ科>アスナロ属


参考文献 References

  1. 長谷部光泰(2021)「植物の進化」,『特別展「植物 地球を支える仲間たち」』,NHK・NHKプロモーション・朝日新聞社.
  2. 長谷部光泰(2020),『陸上植物の形態と進化』,裳華房.

第2版:2026-04-23.

Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.





















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