相空間

相空間[phase space]

力学系において,位置と運動量を座標とする空間のことを相空間[phase space]といいます.

相空間[phase space]は位相空間とも言われます.数学の位相空間[topological space]と区別するために,相空間[phase space]と言われます.

1自由度の系において,座標 $q(t)$ と,この座標に対応する運動量 $p(t)$ とを合わせた $(q,p)$ によって作られる空間が相空間[phase space]ということになります.

一般化座標 $q$ ,一般化運動量 $p$ によって表した関数\[H=H(q,p)\]のことを古典力学においてハミルトニアン[Hamiltonian]$H$,ハミルトン関数と言います.この名前は,古典力学の運動方程式を位置と運動量を座標とする相空間上の方程式として定式化したイギリスの物理学者ウィリアム・ローワン・ハミルトン[William Rowan Hamilton;1805/8/4-1865/9/2]に因むものです.

相空間のもつ構造を抽象化したものがシンプレクティック構造であり,運動量保存則などは,シンプレクティック幾何における運動量写像として抽象化されます.

ニュートン力学の運動方程式をより数学的に洗練された方法で定式化したものがオイラー=ラグランジュ方程式[Euler=Lagrange equation]です.運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの差をラグランジアンと定義し,ラグランジアンの時間積分[作用]を考えます.このとき,物理現象は作用を最小化するように動作すると捉えることが出来ます.これを最小作用の原理と言いますが,この原理を満たす物体の軌跡を変分法で求めたものがオイラー=ラグランジュ方程式[Euler-Lagrange equation]となります.

一方,ハミルトニアンは,ニュートンの運動方程式を位置座標と運動量を変数とする空間[相空間;phase space]上の方程式として定式化しました.\[\dot{q}_{i}=\frac{\partial H}{\partial p_{i}},\dot{p}_{i}=\frac{\partial H}{\partial q_{i}}\]なお,相空間[phase space]余接束[cotangent bundle]とも呼ばれます.

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