
Solanum pseudo-capsicum L.ナス科ナス属(Solanaceae Solanum)。常緑広葉低木。
冬珊瑚と書く。英名はChristmas cherry。南アメリカが原産地。
観賞用として果実の鮮やかな橙赤色が評価される植物である。和名は「冬珊瑚」と表記し、タマサンゴ(玉珊瑚)・リュウノタマ(竜の玉)などの別名でも呼ばれる。原産地については諸説あるが、現在ではマデイラ島を中心とするマカロネシア地域を起源地とする見解が有力であり、かつて広く信じられた「熱帯アメリカ原産」説は再検討されている。世界各地で園芸植物として広く栽培され、日本においても冬季に果実が長期間残る特性から寒冷期の観賞植物として親しまれている。
また、高さ30〜100cm程度に成長する小型の低木状植物であり、光沢のある葉と小型の白色花、そして晩夏から冬にかけて形成される球形の果実を特徴とする。果実は熟すと鮮やかな橙色から赤色を呈し、観賞価値が高い一方で有毒成分を含むため食用には適さない。冬季に果実が長く残ることから、寒冷期の庭園や鉢植えにおいて重要な彩り要素となる。
葉は卵形から楕円形で互生し、縁は全縁でやや波打つことがある。葉質はやや厚く、表面には光沢を有する。花は小型で白色、ナス科に典型的な星形花冠を持ち、葉腋に単生または少数が簇生する。果実は液果であり直径1cm前後の球形を呈し、熟すにつれて緑色から黄色・橙色を経て赤色へと変化するものが多いが、品種によっては黄色や橙色で止まるものもある。果実内部には多数の小型種子が含まれる。
| 草丈/樹高 | 0.5mから1m. |
| 葉 | 葉序[phyllotaxis]は互生[alternate].葉身の長さは5cmから10cm.形状は長楕円形または披針形. |
| 花 | 花序[inflorescence]は集散花序. |
原産地については、かつては南米の熱帯・亜熱帯域とする説が広く流布していたが、現在ではポルトガル領マデイラ島を含むマカロネシア地域を原産とする見解が支持されている。自生環境としては森林縁や攪乱地が知られ、現在は熱帯・亜熱帯各地に帰化・逸出している。温暖な環境を好み、耐寒性は比較的弱いが、短期間であれば軽霜にも耐える。
日本では主に鉢植えや温室植物として栽培され、屋外では冬季に霜害を受けやすい。暖地では屋外での越冬事例もあり、九州・沖縄などでは逸出個体の野生化が報告されている。日照を好み、十分な光のもとで果実の着色が鮮やかになるが、半日陰環境でも生育可能である。
フユサンゴはナス科植物に特有のステロイドアルカロイドを含み、特にソラカプシン(solanocapsine)およびその関連化合物が主要な毒性成分として知られている。これらはジャガイモなどに含まれるソラニンとは構造的に異なる化合物であるが、同様に植物の食害防御物質として機能し、昆虫や哺乳類に対する忌避性・毒性を示す。
果実の鮮やかな色彩はカロテノイド系色素(β-カロテン、カプサンチン類縁体等)によるものであり、成熟過程において色素合成が進行することで視覚的誘引性を高めている。なお、毒性成分は果実のみならず葉・茎・根にも含まれる。
フユサンゴは主に観賞用植物として利用され、特に冬季の室内装飾や寄せ植えに用いられることが多い。果実が長期間残存するため、クリスマスシーズンを含む寒冷期の装飾植物として重宝される。
一方で果実および葉・茎には毒性があり、誤食した場合には嘔吐・腹痛・下痢・眩暈・神経症状などを引き起こす可能性がある。果実がトウガラシやミニトマトに類似した外観を持つことから、小児やペットによる誤食事故のリスクが指摘されており、取り扱いには注意が必要である。
栽培管理上は比較的容易であり、鉢物としての流通が一般的である。生育期(春〜秋)には土が乾いたらたっぷりと水を与え、冬季は乾燥気味に管理する。施肥は生育期に緩効性肥料を定期的に与える。越冬には室内または温室への取り込みが必要であり、5℃以上を保つことが望ましい。
ナス属(Solanum)はナス科の中でも極めて多様な種を含む大きな分類群であり、食用作物であるナス(Solanum melongena)やトマト(Solanum lycopersicum、旧学名 Lycopersicon esculentum)なども同属に含まれる。フユサンゴはその中で果実の強い着色と観賞性の高さを持つ系統に属し、動物散布に適応した進化的特徴を示す。
特に果実の鮮明な色彩は鳥類による種子散布を促進する形質と考えられる。鳥類はアルカロイドに対して哺乳類より高い耐性を持つことが多く、フユサンゴの毒性成分が哺乳類を排除しつつ鳥類散布者を選択的に利用する機能を担っている可能性も示唆されている。これはナス科における繁殖戦略の多様性を反映する典型例といえる。

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第2版:2026-04-28.
Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.