
Itea oldhamii C. K. Schneid。ズイナ科ズイナ属(Iteaceae Itea)。常緑性小高木。柊随菜と書く。ズイナの近縁種。中国南部から東南アジアにかけてを原産とする。学名は Itea ilicifolia といい、種小名 ilicifolia(イリキフォリア)はラテン語で「モチノキ(Ilex)に似た葉を持つ」を意味し、和名「ヒイラギズイナ」と同様に葉形の特徴を示している。細長く垂れ下がる花序と鋸歯のある葉形を特徴とし、日本では主に観賞用として庭園や公園に植栽される。奄美大島以南、および、台湾に分布。
本種は高さ1〜3メートル程度に成長し、枝をやや弓状に伸ばす柔らかな樹形をとる。葉は互生し、長楕円形から広卵形で、長さおおむね5〜10センチメートル、厚みのある革質を示す。葉縁には硬く鋭い刺状の鋸歯が規則的に並び、その形状がヒイラギ(Osmanthus heterophyllus)の葉に似ることから「ヒイラギズイナ」の名がある。葉表は光沢のある濃緑色を呈し、葉裏はやや淡色である。
葉は常緑性であるが、寒冷条件下では部分的に落葉することもある。光沢のある濃緑色の葉は通年観賞価値を持ち、寒冷期には葉が赤みを帯びることがある。
花は初夏(7〜9月頃)に開花し、長さ15〜30センチメートルに達する総状花序を形成する。花序は枝から垂れ下がり、多数の小花が密に並ぶ。花は淡黄緑色ないし白色で、花弁は5枚、雄しべは5本で花弁と互生し、雌しべは1本である。開花時にはほのかな芳香を放つ。果実は小型の蒴果で、秋に成熟する。
ヒイラギズイナは森林の林縁や谷沿いなど、湿潤でやや日陰の環境に適応した植物である。半日陰を好むが、十分な水分が確保されていれば日向でも生育可能である。
土壌は腐植質に富み、水はけと保水性のバランスが取れたものが望ましい。乾燥にはやや弱く、特に夏季の強い乾燥や西日には注意が必要である。耐寒性はやや低く、強い霜害を受ける地域では防寒管理が求められる。
本種は庭園において、下木や半陰地の植栽材料として適する。特に垂れ下がる花序は景観的に特徴的であり、和風・洋風を問わず利用される。鉢植えでの栽培も可能であり、テラスや玄関周りの植栽素材としても活用される。
剪定は花後に軽く行う程度でよく、過度な剪定は自然な樹形を損なう可能性がある。繁殖は挿し木によって比較的容易に行うことができ、適期は梅雨期(6〜7月)が一般的である。
ヒイラギズイナは、常緑性の葉と優美に垂れる花序を兼ね備えた庭園植物として評価される。特に初夏から夏にかけて見られる長い白花の連なりは、静的でありながら動きを感じさせる景観要素を形成する。
また、半陰地においても良好に生育することから、建築物周辺や林間の植栽において重要な役割を果たす。こうした特性により、本種は景観設計において陰影と季節変化を演出する素材として位置づけられる。
ズイナ属(Itea)には約20種が認められており、東アジアおよび北アメリカに分布する。日本に自生するズイナ(Itea japonica)はその代表であり、初夏に白い総状花序を形成する点で類似するが、落葉性であり、葉縁の鋸歯も刺状とはならず、生育環境にも差異がある。北アメリカ原産の Itea virginica(バージニアズイナ)は紅葉が美しく、欧米の園芸でよく利用される。
ズイナ科(Iteaceae)はかつてユキノシタ科(Saxifragaceae)に含められることもあったが、分子系統解析の進展によりAPG分類体系においてユキノシタ目(Saxifragales)内の独立した科として扱われるようになった。このことは被子植物の分類体系が近年大きく再編されてきたことを示す一例である。
| 草丈/樹高 | 6mから10m. |
| 葉 | 葉序[phyllotaxis]は互生[alternate].単葉[不分裂葉].形状は倒卵状長楕円形から楕円形.葉縁[leaf margin]には鋸歯[serration,teeth]あり.但し,成木となると全縁[entire margin]. |
| 花 | 花序[inflorescence]は総状花序. |

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Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.