子葉

Definition:cotyledon

種子植物の胚において、頂端分裂組織から最初に分化し、発生の起点となる最初の葉(胚性葉)のこと。

学名の由来であるラテン語の "cotyledon" は、ギリシャ語の「コテュレ(kottule=小さなくぼみ、カップ)」に由来。

被子植物(英:Flowering plants、羅:Angiosperms)の場合は、原則として子葉は1枚(単子葉類)か2枚(双子葉類)と決まっている。一方、裸子植物(英・羅:Gymnosperms)の場合は、枚数が決まっていないものが多く、多子葉と呼ばれる状態が一般的。例えば、マツの仲間は5〜10枚以上の子葉が輪を描くように生える。

双子葉植物と単子葉植物の区分

項目 単子葉植物 (Monocotyledons) 双子葉植物 (Dicotyledons)
子葉の発生数 1枚 2枚
主な機能 胚乳からの栄養吸収・転送に特化(盤状体など) 子葉自体への栄養貯蔵、または初期光合成
成長への影響 維管束は散在、ひげ根を発達させる 維管束は環状、形成層による肥大成長が可能

なお、かつては単子葉類(1枚)の方が原始的だと考えられていたが、近年のDNA解析により、もともと2枚だった子葉が、進化の過程で1枚に減ったことが分かっている。

進化論的位置付け

植物が陸上に上がったばかりの頃、葉はまだなく、ただの枝(軸)だけだった。それが平らになり、隣り合う枝が膜でつながって葉になったという説(テローム説)がある。子葉は、この枝が平らになっただけの単純な構造に近い特徴を今も持っている。本葉のように複雑なギザギザ(鋸歯)や、高度に分化した網目状の脈が少ないのは、葉という器官が生まれた初期の設計図を色濃く残しているためと考えられている。

すなわち、被子植物において、本葉は種類ごとに形がバラバラなのに、子葉だけはどれも似たシンプルな形(カイワレ型)をしている。これは、被子植物が種ごとに多様な進化を遂げる「前」の、共通のシンプルな設計図を子葉が使っているためと考えられる。

その「シンプルな形」こそが、被子植物よりも古い歴史を持つ裸子植物から引き継いだ、いわば「植物界の初期設定(原始的な葉の形)」の痕跡である、ということができる。

Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.





















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