Definition:Telome theory
テローム説とは、初期維管束植物の二叉分枝する軸(テローム)とその集合体を出発点とし、分枝の優劣化・平面化・癒合などの形態変換を通じて、主として葉や枝などの地上器官が進化したとする仮説。
この説は1930年にドイツの植物学者、ヴァルター・マックス・ツィンマーマン(Walter Zimmermann;1892-05-09 – 1980-06-30)によって提唱された。
テローム(telome)とは、約4億年前(シルル紀からデボン紀)に生息していた、最も原始的な陸上植物の一つであるリニア(Rhynia)等に見られる、二又に分かれた一番先の軸(枝)の部分を指す。ギリシャ語で「終わり」や「末端」を意味する "telos" に由来。
テローム説は、初期維管束植物に見られる単純な二叉分枝軸(テローム)とその集合体を出発点として、複雑な植物器官がどのように成立したかを説明するものである。その本質は、テロームがいくつかの基本的な形態変換を経ることで、葉や枝などの地上器官へと分化していく過程にある。すなわち、頂越・優勢成長(overtopping)によって二叉分枝の一方が強く伸長して主軸となり、他方が側枝へと分化する。次に、扁平化・平面化(planation)により、本来は立体的に配置されていた枝群が同一平面上に整列し、さらに癒合(webbing)によって枝間の空隙が組織で満たされ、連続した葉身が形成される。加えて、縮小(reduction)によって枝が著しく短縮され、内曲(recurvation)によって枝先が内側へ屈曲するという変化も、器官形成において重要な役割を果たす。
ツィンマーマンは、この進化過程を5つの基本過程として体系化しており、頂越は二叉分枝の一方が優勢となって主軸を形成する過程、扁平化は枝が空間的配置から平面的配置へ移行する現象、癒合(ウェビング)は平面上の枝間が組織で満たされて葉身が成立する過程を指す。また、縮小は枝が著しく短縮される変化であり、内曲は枝先が内側へ屈曲する形態変化である。これらの5つの基本過程の組み合わせによって、単純な分枝構造から多様な植物器官が段階的に導かれると考えられている。
Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.