熱帯果樹

Definition:toropical fruits

北回帰線(Tropic of Cancer)と南回帰線(Tropic of Capricorn)に挟まれた低緯度地域を中心とする熱帯・亜熱帯気候地域に原産し、年間を通じて高温環境に適応した果樹を熱帯果樹という。

トロピカルフルーツの王と呼ばれるドリアン(durian,Durio zibethinus)、トロピカルフルーツの女王と呼ばれるマンゴスチン(mangosteen,Garcinia mangostana)、マンゴー(mango,Mangifera indica)は3大トロピカルフルーツと総称される。

地球の気候帯は大きく4つに分けられ、熱帯果樹が本来の力を発揮できるのは熱帯亜熱帯の領域。熱帯亜熱帯は、概ね、北回帰線と南回帰線に挟まれた低緯度地域に位置する。

気候帯 気候記号 解説
寒帯・亜寒帯 E・D 年間を通じて気温が低い地域である。寒帯(E)は最暖月でも気温が低く、 樹木が育ちにくい。亜寒帯(D)は冬が非常に厳しく、針葉樹林が広がる。
温帯 C 四季の変化が比較的明瞭な気候帯である。降水量や気温の違いにより、 地中海性気候・西岸海洋性気候・温暖湿潤気候などに分けられる。
亜熱帯 Cfa・Cwa など 温帯と熱帯の中間的性格を持つ地域である。夏は高温多湿となり、 冬も比較的温暖で、常緑広葉樹が発達する。
熱帯(主分布域) A 年間を通じて高温な地域である。熱帯雨林気候やサバナ気候などが含まれ、 降水量の違いによって植生が大きく異なる。

植物学的・生態的な特徴

常緑性

多くの熱帯果樹は年中落葉しない常緑樹。年間を通じて光合成が続き、季節による大きな休眠期を持たない。落葉する温帯果樹と対比的な熱帯植物の特性。

連続的な成長

低温による生育停止がないため、栄養成長と生殖成長(開花・結実)が重複して進む種も多く、一年に複数回収穫できるものもある。

多様な果実タイプ

核果(マンゴー・アボカド)、液果(バナナ)、集合果(パイナップル)、偽果(カシューアップル)など果実の形態は多種多様。

受粉様式の多様性

昆虫媒・風媒・コウモリ媒・鳥媒など受粉様式が多彩で、熱帯雨林の生物多様性と密接に連関している。

主な原産地域と世界的分布

熱帯果樹の原産地は大きく3つの地域に分かれる。

アジア・太平洋

マンゴー(インド)、バナナ(東南アジア)、ドリアン(ボルネオ)、ライチ(中国南部)、ランブータン(マレー)、ヤシ(インド洋〜太平洋)

中南米

アボカド(メキシコ)、パパイヤ(中央アメリカ)、パイナップル(ブラジル)、グアバ(中央アメリカ)、パッションフルーツ(ブラジル)

アフリカ・その他

バオバブ(アフリカ)、タマリンド(アフリカ)、ジャックフルーツ(南アジア〜アフリカ)

農業・経済・文化上の意義

熱帯果樹は単なる食料供給源にとどまらず、熱帯諸国の農村経済・輸出産業・食文化の根幹を成している。世界の果物貿易においてバナナ・マンゴー・アボカドなどが占める割合は年々増大しており、日本への輸入量も増え続けている。また、ヤシのように果実・繊維・木材・樹液のすべてを利用できる種は、農村の自給自足経済において重要な役割を果たしてきた。一方で、気候変動による降雨パターンの変化や熱波は、熱帯果樹の産地分布や収穫量に直接的な影響を与えつつある。

Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.





















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