仮説検定においては、確率的判断に基づくため誤った結論に至る可能性がある。この誤りは主に第1種の過誤と第2種の過誤に分類され、それらの関係として検出力(power)が定義される。
帰無仮説 $H_0$ が真であるにもかかわらず、それを棄却してしまう誤りを第1種の過誤という。
その確率は有意水準 $\alpha$ として定義される:
\[\alpha = P(\text{帰無仮説が真であるのに棄却})\]
第1種の過誤は「偽陽性(false positive)」に対応し、存在しない効果をあると誤って判断することを意味する。
対立仮説 $H_1$ が真であるにもかかわらず、帰無仮説を棄却できない誤りを第2種の過誤という。
その確率を
\[\beta = P(\text{対立仮説が真であるのに棄却しない})\]
と表す。
第2種の過誤は「偽陰性(false negative)」に対応し、実際に存在する効果を見逃すことを意味する。
検出力は、対立仮説が真であるときに帰無仮説を正しく棄却する確率であり、
\[\text{Power} = 1 - \beta\]
で定義される。
検出力は検定の感度を表し、高いほど実際の効果を見逃しにくい。
第1種の過誤と第2種の過誤はトレードオフの関係にある。すなわち、
母数 $\theta$ に対して、検定の棄却確率を表す関数
\[\pi(\theta) = P_{\theta}(\text{帰無仮説を棄却})\]
を検出力関数という。
このとき、
第1種の過誤は誤って帰無仮説を棄却する確率、第2種の過誤は誤って棄却しない確率である。検出力はその補数として定義され、検定の性能を評価する重要な指標である。これらの関係を理解することは、適切な統計的意思決定に不可欠である。
Mathematics is the language with which God has written the universe.