コルモゴロフの公理

ロシアの数学者アンドレイ・ニコラエヴィッチ・コルモゴロフ[Andrey Nikolaevich Kolmogorov,1903/4/25-1987/10/20]は,「数学の一分野としての確率論は,幾何学や代数学と全く同じように公理を起点として発達させることができるし,またそうであるべきだ」として,確率が従うべき公理を示しました.

確率[probability]

$A$ を結果が偶然的原因によって決まる試行[trial]の1つの事象[event]だとします.

この試行[trial]を毎回の試行[trial]が互いに無関係になるように行うとき,$n$回中$r$回だけ,事象[event] $A$ が生起するとします.

$n$が十分に大きいとき,$r/n$ が一定数 $p$ に近いならば,$A$ を確率事象あるいは可測事象,$p$ を確率と呼びます.

このとき,確率 $p$ は $P\{A\}$ と表します.

コルモゴロフの公理[Kolmogorov axiom]

第1公理:$A,B,C$ が確率事象であるならば,
  • $A \cup B \cup C \cdots$
  • $A \cap B \cap C \cdots$
  • $\overline{A},\overline{B},\overline{C},\cdots$
も確率事象である.

第2公理:確率事象 $A$ は\[0 \le P(A) \le 1\]を満たす実数 $P\{A\}$ が対応している.

第3公理:$A,B,C,\cdots$ が互いに排反な可算個の確率事象であるならば,可算個の排反事象に関する和の法則が成り立つ.\[P\{A \cup B \cup C \cup \cdots\}=P\{A\}+P\{B\}+P\{C\}+ \cdots\]

ボレル [E.Borel;1871-1956]とルベーグ[H. Lebesgue;1875-1941]によって新しい測度と積分の理論がつくりだされ,その測度と積分の理論によって,一般的で厳密な確率論である測度論的確率論が誕生しました.

さらに,ボレルは確率分布の極限を考え大数の法則を一般化しました.その際,確率の持つべき性質として可算加法性を挙げました.

これを受けて,確率空間とは,全確率が1であるような可算加法的測度を持つ測度空間であるとしたのがコルモゴロフです.

コルモゴロフの第1公理は$\sigma$ 集合族と密接に関係しています.

確率はコルモゴロフの公理に従うものとされます.なお,$\sigma$ 集合族を用いた確率の定義ならびに確率空間にかんしては確率と確率空間の項を参照のこと.

Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.





















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